2024/11/24-11/30

第60号
上野友之 2024.12.01
誰でも

11月24日(日)

7:30起床。晴れ。

鼻炎で怠く、久しぶりに昼間に寝込む。

「大使とその妻」(水村美苗)上巻を読み進める。どんどん惹きこまれる。これぞ至福の読書体験。

明日の大腸内視鏡検査に向け、検査食を食べ、夜になって下剤を飲む。

「田中宗一郎×宇野維正 来阪トークイベント」をアーカイブ配信で視聴しつつ。

今回は初めて司会の方も入って、6時間弱!

11月25日(月)

下剤で明け方に何度かトイレに行ったので、そのせいか寝坊。

午後から病院に行って大腸内視鏡検査。

会社員だった7年前に初めてポリープが見つかってから毎年恒例。

当時はとにかく多忙で、もしもあの時放置していたら今ごろ癌だったかと思うとなあ。

前日の検査食と下剤は面倒だが、静脈麻酔の注射で鎮静剤が入ってきてボーっとする感覚は正直好き。

今回も異常無し。ありがとうございました。

ただいつもと違って終了後、暫く腹痛が続き、執筆作業は断念。

HMV&BOOKS SHIBUYAで「大使とその妻」下巻を購入して帰宅。

11月26日(火)

7:30起床。晴れ。起きて少し書くがすぐ眠くなり二度寝。

そして口唇ヘルペスができた。くそ!

最近の寒さからの鼻炎のせいか、そこに下剤で体力落ちたせいか。

今までの人生、季節の変わり目に何度ヘルペスができたことか。弱すぎる。

NHKドラマ「3000万」配信で完走。

夜、雨が降る中、ソファで「大使とその妻」を読み続ける。

久しぶりに集中して、後半は一気に読了。

あまりに素晴らしかった。

こんな素晴らしい小説を読ませて頂きただただ感謝の気持ちです。

いやあ良かった。

11月27日(水)

7:30起床だがまた二度寝。晴れ。

まだ体が怠い感じ。

20度予報だったのに今日も寒かったし。

ちょっとだけ懸案になりかけた、身内のプチトラブル、良い方向におさまりそうで一安心。

11月28日(木)

8:30起床。快晴。

四谷の休憩所に行って作業。

体調はまだ微妙で、久しぶりに耳鼻科へ。ヘルペス用の塗薬も貰う。

お医者さん(ご高齢だが元気いっぱいの女性)もヘルペスを見て「あらあら」という感じ。

やはり体力が落ちるとできるものらしい。

病院に行く前に、近くの須賀神社にお参り。

こんなに近所なのに初めてかも。

『君の名は』のあの階段は、カメラを抱えた映画ファンらしき外国人がいっぱい。いまだにそうなんだ。

U-NEXTで後追い視聴しているドラマ「ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!」が面白い。

11月29日(金)

8:30起床。晴れ。

まだ寝起きの体調がパッとしない感じ。

「⾃⼰否定をやめるための100 ⽇間ドリル」(坂⼝恭平)読了。

今まで坂口さんの活動に疎かった自分でも、坂口さんがどれだけ多岐にわたって活動しているか知っていたし、本も40冊以上出され、稼がれ(年収3,000万という記述もあり)、ご家族もいる。

にもかかわらず、延々と苦しい自己否定の文章が続くことに驚いた。

その内容も、無名で金も無い俺が考えることとほとんど同じなのだ。

外部からの評価や収入と、自己評価というのがなかなか一致しない表現者の苦悩を目の当たりにした。

午後は渋谷でKと定例ミーティング。

某企画、前進したかも。

お互い自身のこととか演劇界のこととか、わりと素直に色々話せたし、楽しみになってきました。

夜は神保町に移動。

東京堂書店で「日本語で読むということ」(水村美苗)、「甘美な人生」(福田和也 )購入。

水村さんの本はひたすら読みたい。

福田さんのちくま学芸文庫の最初期作は、長らく絶版だったのが追悼として復刊された。

有り難いが、ご生前に読みたかった。

冒頭からして難解、というか前提となっている教養があまりにも足りないので、理解できているかはかなり怪しい。

ただ、デビュー直後の福田さんの野心溢れる文章がキレキレであることはよくわかる。

神保町シアターで『流れる』鑑賞。

「映画に生きる――田中絹代」特集の一本で、1956年の成瀬巳喜男監督作品。

トーキーは全部観た小津に続いて、成瀬もスクリーンで観れる機会にできるだけ観ておきたい。

まだ小津ほどには魅力を把握しきれていないが、これは今まで観た成瀬の中でもかなり良かった。

柳橋の花柳界を舞台にした女性達の群像劇。

山田五十鈴、田中絹代、高峰秀子、岡田茉莉子、杉村春子、栗島すみ子という、恐らく当時の超豪華キャスト。

高峰秀子さんの「わたしの渡世日記」を読んだ後なので、田中絹代&高峰秀子の共演場面は何だかグッときた。

原作は幸田文。幸田文といえば、水村美苗さんがエッセイなどで何度も絶賛していたので、ちゃんと読んでみたい。

それにしても、平日夜の回がほぼ満席。客席には若い人も結構いる。何度も書いてるけど、こういう古い名作映画の上映需要はかなりあるようだ。

(ちょっと違うけど、『インターステラー』の再上映も、あのどデカいグランドシネマサンシャイン が連日満席らしい。)

11月30日(土)

8:30起床。晴れ。

日中は寒くて、夕方に風呂に入ってから外出。

夜は某演劇企画のミーティング。

忙しいメンバーも集合できて、諸々打合せ。

いよいよ公演に向けて具体的な話が続く。

事務的なことだけでなく、お互いの気持ち的なことも話せたのも良い感じ。

ところで、打合せのカフェに早めに着いて待っていたら、隣の席にお客さんが来た。

その方が、某女優さんで、全く面識は無いのだが、なんとキャスティングで名前があがっている方だった。

非常に驚いた。確率的には凄い偶然だが、しかしどこの店にも業界関係者がいる可能性を改めて思い知る。

流石にその方がいる間はキャスティングの話は一切できなかった。

「日本語で読むということ」読んでいると、世代や環境が違うとは言え、お若い頃からとにかく圧倒的に古典文学を読まれていて、だからこそあの豊潤で格式高い水村文学の世界があるのだろう。

自分は、文学部で、無限に時間もあったのに、なぜちゃんと小説を読まなかったのか。悔やまれるぜ。

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