2025/5/18-5/24

第85号
上野友之 2025.05.27
誰でも

二日遅れてしまいましたがこの週の日記です。

5月18日(日)

9:00起床。曇り。

今日から劇場稽古ができる日で、作業して家を出ようとするも体が怠く、入りを送らせて貰う。

「病院に行って」と指示を受け、日曜でもやってる病院のリストを送って貰い、新宿西口の綺麗で静かな内科へ(普段は心療内科も診察しているクリニック)。

「とにかく怠い」としか言えず、血液検査をして貰うも、貧血、栄養不良、感染症、腎臓などの数値は全て異常なし。

お医者さんは「自覚はなくてもメンタルの問題かも」と、長引くようなら心療内科の受診もすすめられる。

活力の出る漢方なる薬を貰って帰宅。

夜は劇場に行くつもりだったが、結局「今日は休んで」という指示に従って、キャストの自主練に任せ、お休みを頂いた。

劇場に道具を置いた写真を送って貰ったりした。

あと恒例の北海道のアスパラが届いたのもこの日だったか。

深夜、照明のお手伝いをしてくれる若原さんと、舞監/Pの森脇氏と軽くリモート打合せ。

5月19日(月)

8:00起床。小雨混じりの曇り。

舞台で使うホワイトボードを運ぶため、家からスタジオ空洞までタクシー。(結果ホワイトボード使わなかったが)

まだ本調子ではないが復帰して、AMから午後まで劇場稽古。

この場面からここまで通す、と流していったのだったか。

夕方からスタッフ仕込み。

音を出せるようにして貰って、あとは若原さんと話しながら明かり作り的なことをして頂く。

若原さんが持ち込んでくれた機材量も仕事の範囲も明らかに「お手伝い」の範囲を超えている。感謝。

なんだかんだ22時過ぎまでメンバー全員作業してたはず。

5月20日(火)

7:30起床。晴れ。30度近い予報。

場当たり初日。

冒頭は、昨日の照明PCが落ちてしまった為、若原さんのPCをお借りし(本当に感謝です……)俳優にも付き合って貰って再度の明かり作り。

若原さん的には二度手間で申し訳なかったが、結果的にこの作業を一緒にやれたのが自分には良かった。

今回は初めて音照両方のオペを一人でやるので、自分の練習的場当たりでもある。

何とか最後まではいけたが、音がスピーカーから出ないトラブルが続き、iPadに入れているソフトを削除して入れ直すなど。

少し稽古して、夜はお手伝いさんが来てくれて客席作り。

自分もメンバーも小屋入り後の作業が多すぎて、なかなか本業(演出/俳優)に向き合えず疲労困憊。

それでも何とか進んでいる。

5月21日(水)

6:00起床。晴れ曇り。

劇場入りし、AM11:00から思い切って通してみる。

音響トラブルは解消して一安心。

クライマックスの音楽の使い方が決まらず、キャストも交えて相談するもまとまらず。

夜は舞台美術の飾り作業。

遅い時間帯で疲れも溜まりつつ、笑いはたえず。

というか、くだらない冗談でも爆笑が起きたり、完全に文化祭前夜のテンションだった。

5月22日(木)

6:00起床。曇り。

人生何度目かの旗揚げ初日の朝。

9:00に劇場入り。

とにかくやることが多い。

オペに加えて今回はSNSも自分担当で、あれもこれも俺の仕事か、と気持ちが落ち着かない。

メンバーも同様だと思う。

なかなか演出に集中できないが、それでも改善点を考え、昨日残された課題も打開策を共有し、キャストスタッフと一緒に試す。

最終的に森脇氏の意見が決め手となり、音楽の使い方も決まる。

結果的に、この時追加した台詞と音楽とが、全体のクオリティの大きな上昇に直結した。

当たり前だが、最後の最後まで気を抜かず集中して頭を絞ることが大切だ。

まずはゲネプロ。いつもは知人に来て貰って結構な人数になったりするが、今回は関係者とマネージャーさんのみ。

そしてソワレで「高尾山へ」開幕。

今思えば、初日は俳優もどこか硬かったし、満席の客席も温かいというよりはじっ……と真剣に目撃してくれる感じで(それは有り難いのだが)、作品としての抜け感が足りなかったかもしれない。

でも来てくれた人は概ね楽しんでくれたようだし、とにかく無事に幕が開いたことに一安心。

劇場で軽く乾杯して解散したのだったか。

5月23日(金)

6:00起床。曇り。

午前中は頂いた大量のゲネ写真データからチョイスして、劇場入り。

今日からマチソワ。

初日の経験を受け、演出と選曲の細かい修正を伝えたうえで、キャストには「もう少し客席に芝居を開いてコミュニケーションを意識して」とオーダー。下手すれば媚びや緩みに繋がるリスクもあったが、そこは実力ある俳優陣。

これが効いたのかどうかは不明だが、正直昨日より明らかに良くなった。

マチネは、通しに続いて来てくれた古澤美樹ちゃんも満足してくれたし、TさんMさんなど知人の反応も熱い。

そしてソワレ。更に良くなる。

振り返ってみると、この2日め以降、毎ステージでベストを更新していった。

こんな経験はあまり記憶にない。

うまくいった理由を言語化しまとめておきたいのだが、多分に感覚的なことも多く、なかなか難しい。

観に来てくれた細野さんとアヤパンと話が尽きないので、「この後ちょっと行く?」と誘ったら細野さんが嬉しそうに頷いてくれる。

子育て中の細野さんは観劇自体がかなり久しぶりで、今日は飲みまで行きたかったらしい。

近くの酒場に移動し、思い出話や近況に花を咲かせ、共通の知人を思い出して三人で泣いて。

絵に描いたように良い夜だった。

たぶんこれが中島らも的な「生きていてよかった」と思う夜。

結果、終電近くまで。

5月24日(土)

5:30頃に目覚め何度寝かして8:30起床。曇り。

今日もマチソワ。

土曜13:00、この辺りが鬼門かと思ったが、俳優は更に進化。驚く。

数年前にお世話になったりとうさんが興奮してくれたり、アナログスイッチの佐藤くんが来てくれたり。

ソワレの追加公演は、正直客席は埋まらなかったが、逆に贅沢なステージにはなり、出来も良かった。

橘さんが大満足してくれた様子も嬉しかった。

HさんJさんと飲んでから、別のお客様との飲みに合流。

貴重な本番期間、大切なことを書き洩らしている気がするが、可能な限り記録しておく。

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