2023/10/8-10/14
10月8日(日)
AM11:00起床。曇り。
遅く起きたのは昨夜の酒のせいか。
元々強くはないのに、飲む機会が減って更に弱くなった。
昨日は久しぶりのI君と行きつけの焼鳥屋さん。途中からいつものBさんも合流。
I君に二軒目も誘われ二人でバーも行った。結果終電まで。
電話やリモートを除くと、I君と対面で会ったのは丸三年半ぶり。
前回はちょうど初めての緊急事態宣言が出る頃。
ついこの間の気もして、コロナ禍独特の時間感覚の歪みかなと思う。
お互いの近況やら悩みやら今後のことやら、結論が出ないことを色々と話せて良かった。
I君が「⚪⚪さん(妻)の為に生きていきたい(大意)」と言っていて、日々が孤独との向き合いである自分からは羨ましかった。
今日こそはずっと懸案の映画脚本を進めようと思ったのに、机の前に座ったはいいもののSNSやYouTubeを見続け気づけば暗くなってましたという、昨日までと変わらぬ無意な時間。
夜はNetflixで映画『イコライザー』観て面白くて、続けて『イコライザー2』まで観てしまった。
このシリーズは初見。
デンゼル・ワシントン演じる孤高の元CIAマッコール(圧倒的に強い)が、街で偶々出会った人々の為に徹底的に悪を糾すという、かなり普遍的な勧善懲悪ヒーローもの。
だが、CIAというだけあって、当然マッコールには過去があり。
以下、軽くネタバレ。
「主人公が事件と向き合う過程で、真の敵はかつての仲間or師匠or部下と判明する」というのは定番のストーリーですが、『イコライザー2』はまさにこれ。
引退後も心を通わせていた女性局員が殺され、マッコールは元同僚(演:ペドロ・パスカル)と共に真相を追う。
のだが、実はこの元同僚が犯人だった。
マッコールに罪を暴かれ、無実の人間を殺したことを責められた元同僚が吐露する台詞。
「(お前は)局(=CIA)では敵しか殺さなかったとでも?
マック。いい人間や悪い人間などもういない。敵もな。
いるのは不運な人間だ。」
あらゆる因縁が絡まり過ぎた世界で、特にアメリカやCIAがやってきたことを踏まえると考えてしまう言葉。
現在公開中の『イコライザーTHE FINAL』がどういう決着をつけるのか観るのが楽しみ。
『THE FINAL』を理解するのにこれまでのシリーズを全部観る必要は無い、という意見もあったけど、俺は二つとも観て結果良かった。
10月9日(月祝)
冷たい雨。寒い、と感じた日は今季初か。
夢に久しぶりにある人物が出てきた。
もう何年も前の取り返しのつかない人間関係。
現実で会うことはもう無い気がするけど、再会する夢を定期的に見る。
前はこの人の夢を見た日は、起きても下手したら一日中引きずっていた。
今では、目覚めた後のその気分まで熟知しているので、はいはいまたこれか、という感じだが、布団の中で気持ちを落ち着けている内に二度寝三度寝してしまった。
SNSで実験映画作家のジェイムズ・ベニングという人の特集上映を知り、イメージフォーラムで『セントラル・ヴァレー』鑑賞。
2分30秒の実景✖️35ショット=90分、ひたすらに定点カメラの風景が続く。
景色を映した(だけの)映像なのに、計算された構図の中で、時に劇映画の1シーンのように見える瞬間が多々。
特に乗り物の移動や画面からの登場/退場はそれだけでアクションとして劇的なんだなと思った。一丁前にリュミエール兄弟を思い出したりした。
隣の人は寝てたし、俺も途中で脱落するかもと思ったけど、結果90分最後まで観続けた。
頭の中では、観ている映像とは関係ないことばかり考えていた。そういう意味でも普段、本物の景色を見ている時の感覚に近かった。
昨日まで自分はこの作家の存在すら知らなかったのに、サービスデーとは言え満席。
こういう特集上映の度に、自分の知らない監督や作品を知ってる映画ファンてたくさんいるんだな、と実感する。
(例えばシャンタル・アケルマンとか、俺はコロナ禍まで知らなかった。)
俺が無知すぎるのかもしれない。
自分のように、今回SNSで初めて知って来てみた、という人もいたのだろうけど。
批評的には様々な文脈で語れる作家なのだろうが、前知識無しで観れたのも良かった気がする。
ただ他作品まで続けて観ようとは思わず映画館を出た。
ABCで立岩真也さんの「良い死/唯の生」購入。
立岩さんは今年7月に亡くなった時に何人かの方の追悼を目にしてその存在を知ったのだが、新聞の書評で
「能力主義・優生思想などを頑丈な思考と即物的かつ、うねるような独特の文体で根底的に思考し批判した。」
と紹介されていて気になっていた。
自分の中でうっすらと引っかかりを持つことが増えていた能力主義というテーマ。
先日マイケル・サンデルの「実力も運のうち 」を読んでから更に関心を持つようになった。遅いけど。
あと、とにかく積読がエグ過ぎて、読んだ本の感想だけではもったいない?ので、買った本のタイトルだけでもこのように記録することにした。
夜は昨日の『イコライザー』二本立てに続きデンゼル・ワシントンの『マイ・ボディガード』をU-NEXTで鑑賞。
今は亡きトニー・スコット監督。こんなに細かくカット割ったりギミック使う人だったっけ。
序盤はとにかくデンゼル・ワシントンのかっこよさとダコタ・ファニングの可愛らしさに釘付け。
「強い者などいない。鍛えたか鍛えていないかだ」
という台詞が良かった。
児童誘拐に関わった犯人や汚職警官たちをどんどん殺していくデンゼル・ワシントンの姿に、現実世界で誘拐され殺された子供達への追悼すら重なって見えた。
娯楽映画を観るということは、世界のどこかで正義がなされていて欲しい、という願望を無意識に満たすことなのかもしれない。暴力に魅了されることでもある。
しかしアメリカ人が「正義」の「復讐」を行うことに、引っ掛かりがないでもない。
公開当時(2004年)、イラク戦争真っ最中のアメリカのことなど考えると尚更。
というかもう二十年前の映画ですか。
とにかくこれで『イコライザーTHE FINAL』の予習は完璧だ。
脚本は今日も進まず。
今年は人生でも最多ペースで映画を観ているが、ただ観ているだけでは自身のアウトプットには繋がらない、という現実。
(最低限の記録と感想だけでも残そう、というのもこの日記を始めた動機。)
10月10日(火)
AM8:00起床。晴れ。
本来の理想的な起床時間。
何度かアプリで睡眠を計測した結果、どうやら俺の適性睡眠時間は7.5Hらしい。
24:30に寝て8:00起きが良いということですが、なかなかそうもいかない。
懸案の映画脚本、二ヶ月前に書いた稿を改めて読み直してみた。
全部書き直しくらいのつもりだったけど、全く駄目というわけでもなかった。
昔から、書いていて行き詰まるとその全部を否定してゼロから直したく癖があるけど、ヒャクゼロで考えず、今ある物をどう改良していくかということも大切。
と何度も言い聞かせてはいるのですが。
少し先が見えた気もするけど、今日の成果としては、ちゃんと読み直したことだけ。
夕方、所用で税務署に行き、帰り道に雨。
ドラマ「こっち向いてよ向井くん」をNetflixで最後まで観る。
元カノとのキスの流れや曖昧な関係、坂井戸さんの朝ごはんでの気づきなど良いなと思った。
妹夫婦の間に介入してくる女性の描き方は、ある種の女の敵としてわりと定型的なまま退場し、もっと掘り下げるかと思ったのでちょっと意外だった。
作家のジェンダーどうこうはあまり言いたくないが、こういう描写は制作陣が女性の方が躊躇なく出来るのかもしれない。
夜はU-NEXTでまず映画『GONIN』鑑賞。
続けて小津のサイレント作『突貫小僧』。フィルムの一部、15分だけ残存しているもの。
今年、ウディ・アレン監督作を製作順に全て観直す、ということをやってとても参考になったので、他の監督でもやってみようと思って、今は小津安二郎。
続けてアマプラでトム・ハンクス主演『オットーという男』。
元になったスウェーデンの映画『幸せなひとりぼっち』はたぶん未見。
丁寧な良い映画。SaveTheCat法則の変則バージョンが全開だった。
10月11日(水)
AM9:30起床。8:00に起きたのに二度寝。晴れ。
映画館で『イコライザー THE FINAL』。面白かった。
我々は、理不尽な悪を糺してくれるマッコールさんを望むだけでなく、フィクションの中だけでも、善悪正邪の区別や因果律が明確な世界を欲するのだな。
どうしてもイスラエルとガザのことを考えてしまう。
続けて『シアター・キャンプ』鑑賞。
こちらも良かった。
モリー・ゴードンら親しい俳優たちが脚本製作監督を兼任。
ドラマ「The BEAR」S2のモリー・ゴードンの恋愛パート、邪魔とか不要とかも言われてるけど、俺は良いと思って観てる。
恋愛描写の受け取り方、本当にここ何年かで変わったよな。
二作品とも帰路で感想や批評を読み漁る。
10月12日(木)
悲しい夢を見てまだ暗い内に一度目覚める。もう内容は覚えていない。
今日も一日脚本との向き合い。本当に向き合ってるだけ。
夜はアマプラで映画『長ぐつをはいたネコと9つの命』。前作は未見。
評判通りの傑作、お手本のような脚本だった。
ここ最近ずっと、執筆や考え仕事はできるだけ午前中に集中してやり、暗くなってからはインプットに当て、夜は早めに寝る、という時間の使い方を理想としてやってきた。あくまで理想。
でも今日は、脚本(小説の脚色)の行き詰まりを解消するには、深夜のあの時間帯を過ごすことも必要かなと、起き続けてみた。
ただぼーっと考えてるかネットを見てるだけの時間がほとんどだけど。
するとふと、
原作では人物A→人物Bのベクトルとなっている言動を、
B→Aに変えたら良いのでは、と思い当たった。
この変更が結果正解かはともかく、アイディアとしては超シンプルなものだが、それでも思いつくまでに一年以上かかったと思うと、俺が鈍すぎるのか創作とはそういうものなのか。
日付が変わり、楽しみにしてたテイラー・シェリダン+ハリソン・フォードのドラマ「1923」(「イエローストーン」前日譚の第二弾)がU-NEXTで配信されたので、3時くらいから一話を観て寝た。
10月13日(金)
昨日(12日深夜)は4時過ぎまで起きてて、今朝はAM10:00頃起床。
6H睡眠だけどこれはこれでスッキリ。
今日は脚本完成に近づけたい、と思いそういう日によく辿るルートを一日かけて移動(主にバーガーキング→タリーズ)。
結果、原稿は全然進まなかったが、視点はだいぶクリアになった。と思いたい。
夜、近所の店がどこも混んでいて日高屋。日高屋ってほぼ行かないのですが、町中華の価格もじわじわと上がっている中で、流石にリーズナブル。
ポー原作のマイク・フラナガンの新作ドラマ「アッシャー家の崩壊」(Netflix)も観始めてしまった。
10月14日(土)
世田谷パブリックシアターでケムリ研究室「眠くなっちゃった」鑑賞。
劇場機構トラブルで序盤公演中止を経ての上演。
とにかく圧倒的なクオリティと複雑さのステージワークに驚く。
もちろんケラさんも緒川さんもキャストも素晴らしいのだが、
この作品の稽古場と、何より場当たりを取り仕切ったであろう演出助手・陶山さんに
心から感嘆と労いの拍手を贈りたくなった。
約十五年前の一時期、陶山さんがまだ学生時代にお世話になり、当時から明らかに優秀で俺は迷惑をかけるばかりだったが、それにしても見事。
内容は、今のタイミングで見るともろにガザ危機を描いているように見え、当然この作品の準備中に今の事態は無かったわけで、その偶然性?予見性?に驚いた。
帰宅してNetflixで映画『夜、鳥たちが啼く』鑑賞。
今週始まったドラマ「いちばんすきな花」一話も見た。
「1923」と「アッシャー家の崩壊」も毎晩一話ずつ見てる。
思うところあり、寝る前には司馬遼太郎の「翔ぶが如く」(全十巻)を少しずつ読んでいる。久しぶりに「余談だが」連発の司馬節を堪能。
というわけで、これだけ暇な人間でも、時間がいくらあっても観たいもの読みたいものには追いつかないね。
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